ミネラルとは?ミネラルの働きとその重要性について
ミネラルとは、骨や筋肉などといった身体の組織を構成するために必要な栄養素として知られ、「無機質」とも呼ばれています。私たちの体内にもミネラルは存在していますが、その量は4%とわずか。しかし、身体を正常に保つために必要不可欠な栄養素なのです。
今回は、身体を正常に保つために必要不可欠なミネラルの働きやその重要性について解説していきたいと思います。
身体に必要なミネラルとその働き
ミネラルにはなんと約100種類もの栄養素があり、そのうちの16種類が人間の身体に必要な「必須ミネラル」だとされています。主な必須ミネラルとその働きは、次の通りです。
【カルシウム】
骨や歯を作るために欠かせないミネラルで、体内にある99%のカルシウムは骨と歯にあります。残りの1%は、筋肉や血液の中にあり、止血する役割や脳や筋肉の活動などにも役立っています。
【リン】
カルシウムと結合することで、骨や歯を形成する働きがあります。
また、リンは筋肉や神経など様々な組織にも含まれており、エネルギーの代謝にも関わっています。
【カリウム】
老廃物やナトリウム(塩分)を体外に排出する働きがあり、血圧の安定やむくみの軽減に役立つミネラルです。
【鉄】
タンパク質と結合し、血液中にある赤血球を生成するヘモグロビンの成分となるミネラルです。
酸素とくっつくことで、酸素を肺から全身に運ぶ働きがあります。
【亜鉛】
正常な味覚を維持する亜鉛は、血糖値を安定させたり免疫機能の維持などにも関わっています。
新しい細胞を生成する際のDNAの複製などにも関わっているため、細胞の再生に不可欠なミネラルでもあるのです。
【銅】
銅は鉄分の吸収や貯蔵などの他、骨や血液壁を強化する働きのあるミネラルです。
また、身体の中の様々な酵素となり、活性酸素を除去する役割もあります。
【ヨウ素】
エネルギー代謝に関わるミネラルで、甲状腺ホルモンの材料にもなっています。
【ナトリウム】
カリウムと共に体内の水分量を適切に維持するミネラルです。
その他、筋肉の弛緩にも関わっています。
【マグネシウム】
カルシウムやリンと同じように、骨や歯を生成するために必要不可欠なミネラルです。
その他にも、神経の興奮を抑制したり体温や血圧を調節する働きもあります。
これらのミネラルは、お互いに影響を与え合うため、それぞれのミネラルをバランス良く摂ることが大切です。
ミネラルが不足すると
日本人が万年不足している状態だと言われているミネラルは、カルシウム・マグネシウム・亜鉛です。
カルシウムが不足すると、骨がスカスカになり、骨折や骨粗鬆症のリスクが高まることに。同時に、カルシウムの不足は肩こりやイライラの原因にもなるのです。
カルシウムと密接に関係しているマグネシウムが不足すると、骨や歯の健康に影響が出ると同時に、生活習慣病のリスクが高まる可能性があることでも知られています。
また、日本人が最も不足しがちだとされている亜鉛が不足すると、味覚障害を引き起こす可能性があります。
ミネラルが不足する原因
身体を正常に保つために必要不可欠な栄養素であるミネラルですが、特に日本では不足している人が多いと言われています。その理由は、近年の日本人ならではの食生活にあるようです。
そもそもミネラルは野菜よりも肉や魚などのタンパク質に多く含まれています。欧米人は日本人よりも多くの肉を食べることでミネラルを摂取していたり、小麦に鉄を混ぜるなど国レベルでの対策が行われています。日本でも昔は調理具が鉄でできていたため、自然に溶けだした鉄を食事で摂取出来ていました。しかし、近年主に使用されている調理具はステンレスが主流となっているため、鉄不足が起こりやすい状況となってしまったのです。
不足しがちなミネラルを多く含む食品
タンパク質や炭水化物ビタミンなどの5大栄養素の一つともされているミネラルは、身体を正常に保つために必要不可欠な栄養素であるにも関わらず、体内で生成できないことから、毎日食事や飲み物などで補給する必要があるのです。日本人の多くが不足しているカルシウム・マグネシウム・亜鉛が多く含まれている食品は、次の通りです。
【カルシウム】
・牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品
・わかさぎ、干しエビなどの魚介類
・納豆、豆腐などの大豆製品
・小松菜、モロヘイヤなどの緑黄色野菜
【マグネシウム】
・ひじき、わかめ、昆布などの海藻類
・アーモンド
・サクラエビ、あさり、マイワシ
【亜鉛】
・牡蠣、あわび、タラバガニ
・牛肉、豚レバー
・納豆
・卵
・チーズ
・アーモンド、落花生
ミネラルの過剰摂取にも注意
慢性的に不足していることが問題視されているミネラルですが、過剰摂取はかえって健康を害してしまう原因に。例えば、ナトリウムの過剰摂取は高血圧となり、脳卒中などの重大な病気につながってしまう恐れがあります。ナトリウムは、カップ麺や梅干し、味の濃い食事に多く含まれているので、濃い味付けが好みの方は日頃から注意が必要です。
まとめ
今回は、主なミネラルの種類やその働き、重要性についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
ミネラルは、不足している場合はもちろん、摂りすぎても身体に悪影響を及ぼしますので、適切な摂取量を守って補給しましょう。